スウェーデン市がカラスを清掃員に採用、報酬はエサ
スウェーデン・ソーデルテリエ市が、カラスをタバコの吸い殻回収係として「雇用」するプロジェクトを立ち上げました。報酬はエサ。専用の装置に吸い殻を投入するとエサが出てくる仕組みで、カラスたちに路上清掃の「お仕事」を覚えさせています。
## タバコ1本でエサ1粒、夢のシンプル雇用契約
仕組みはこうです。カラスが路上の吸い殻を拾い、専用の「吸い殻回収機」に投入する。機械がエサを排出する。以上。労働基準法も、福利厚生も、健康診断も不要。契約書へのサインすら不要なのですから、HR部門が泣いて羨む雇用形態と言えます。
## なぜカラスなのか、鳥類最強の知能
カラスは鳥類のなかでも群を抜いて知能が高く、道具を使い、因果関係を理解します。研究者によれば、訓練を受けたカラスは1日100本以上の吸い殻を回収できます。人間の清掃スタッフと比べても遜色ないペース。ただし、定時退社は守りませんし、有給申請もしてきません。優秀な部下です。
## 人件費75%削減、財務担当者が震えた数字
市の試算では、カラス清掃員の活用により人間の清掃員を雇うコストの約75%を削減できるといいます。スウェーデンは欧州でも屈指の高コスト国。清掃員の時給も高く、社会保障負担も重い。その点カラスの要求はエサだけ。経費精算の申請もなければ、残業代の計算も不要。財務部門にとっては破格のコスパです。
## 「これは搾取じゃないか」──動物福祉団体の反論
批判も当然あります。動物福祉の観点から「野生動物を人間の利便性のために働かせることは倫理的に問題だ」という声が上がっています。確かに、カラスからすれば「ゴミを拾わないとエサをもらえない」という条件付けは、純粋な善意とは言いがたい。ただ、清掃スキルを習得したカラスが自発的に吸い殻を探し始める様子は、どちらかと言えば「仕事が好きな社員」の姿に近く、搾取と呼ぶのも少し気の毒です。
## 動物に公共サービスをアウトソーシングする時代へ
このプロジェクトが成功するかはまだわかりませんが、「動物に公共サービスをアウトソーシングする」という発想自体は世界各地で研究が続いています。犬による爆発物探知、ミツバチによる農地モニタリング──人類はずっと動物に仕事を依頼してきました。カラスの吸い殻回収も、いつか「当たり前の光景」になる日がくるかもしれません。ソーデルテリエ市の空を舞うカラスたちは今日も熱心に働いています──エサのために。
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出典
- The Guardian: スウェーデンのカラス清掃計画