賞金稼ぎ、ICEのフリで重罪起訴。権限はコスプレ不可!
アリゾナ州の賞金稼ぎたちが、連邦捜査官になりきって市民に銃を向けた結果、複数の重罪容疑で御用となりました。彼らが手にしたかったのは賞金首ではなく、自分たちが法の裁きを受けるハメになった顛末は、まさに「人類のバカを愛でる」我々のメディアにうってつけの事件です。
## 任務とコスプレを履き違えたプロ集団
事件が起きたのは、アリゾナ州フェニックス。とある人物の行方を追っていた賞金稼ぎの一団は、捜索の過程で抗議活動を行うグループと遭遇しました。ここで彼らが取った行動が、すべての間違いの始まりだったのです。
なんと彼らは、米移民・関税執行局、通称「ICE」のロゴが入ったベストを着用し、自分たちが連邦捜査官であるかのように振る舞い始めました。さらに、抗議者たちに対して銃を抜き、威嚇するという暴挙に出ます。映画さながらの緊迫した光景ですが、これはハリウッドの脚本ではなく、現実の出来事。当然ながら、本物の警察が駆けつけ、この「なんちゃってICE部隊」はあっけなく制圧されてしまいました。
## そもそも「賞金稼ぎ」とは何者なのか?
ここで多くの日本人が「待てよ、賞金稼ぎって実在するの?」と疑問に思うはずです。ええ、アメリカには実在します。彼らは「Bail Enforcement Agent」や「Bounty Hunter」と呼ばれ、保釈中に逃亡した被告人を捕まえて裁判所に出頭させることを生業とする民間人です。
アメリカの保釈金制度は非常に高額なことが多く、被告人は「保釈保証業者(Bail Bondsman)」に手数料を払って保釈金を立て替えてもらいます。もし被告人が逃亡すれば、保証業者は巨額の保釈金を没収されて大損害。そこで、逃亡者捕獲のプロである賞金稼ぎに依頼が舞い込むという仕組みです。彼らの権限は州法によって異なりますが、時には令状なしで被告人の家に立ち入ることも許可されるなど、日本の感覚からすると驚くべき権力を持っています。しかし、あくまでその権限は「特定の被告人」に対してのみ有効なのです。
## なぜ虎の威を借る狐になったのか
では、なぜ彼らはわざわざICEのフリなどしたのでしょうか。その答えは、ICEという組織がアメリカ社会で持つ「威圧感」にあります。
ICEは国土安全保障省に属する強力な連邦捜査機関で、特に不法移民の取り締まりで知られています。その捜査手法は時に強硬的とも言われ、移民コミュニティからは非常に恐れられている存在。賞金稼ぎたちは、このICEの威光を借りれば、面倒な抗議者たちを黙らせ、捜索をスムーズに進められると考えたのでしょう。なんとも短絡的な発想です。その「コスプレ」が、自分たちの首を絞めることになるとは夢にも思わずに。
## 権限の越境、その代償は重罪
彼らの最大の過ちは、自分たちの権限の範囲を完全に履き違えたことでした。アメリカでは、連邦職員を詐称する行為は「18 U.S. Code § 912」という連邦法で固く禁じられており、シャレにならない重罪です。罰金刑や最大3年の禁錮刑が科される可能性があります。
賞金稼ぎに許された権限は、あくまで保釈保証業者との契約に基づき、特定の逃亡被告人を捕らえることだけ。一般市民である抗議者に対して銃を向け、連邦捜査官を名乗って脅すなど、言語道断。それはもはや任務ではなく、ただの加重暴行であり、公務員詐称です。プロとして越えてはならない一線を、彼らはあっさりと飛び越えてしまいました。
## コスプレ道、極める前に法を学べ
今回の事件は、権力への安易な憧れが招いた、なんとも滑稽な結末と言えます。彼らは「プロの賞金稼ぎ」を自称していましたが、その実態は、法的な権限とただの脅しの区別もつかない素人集団だったのかもしれません。コスプレはTPOをわきまえるのが鉄則。特に、法執行機関のユニフォームを着て市民に銃口を向けるのは、最悪のTPO違反です。
次に彼らが袖を通すのは、憧れのICEのベストではなく、オレンジ色の囚人服になることでしょう。それもまた、ある種の「なりきり」ではありますが、今度は逃亡の許されない、本物の舞台となりそうです。
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出典
- Fark.com: Bounty hunters hired to cosplay as ICE discover that unlike ICE, they can be charged with multiple felonies for threatening people and pointing guns at protesters